活動プログラム紹介 ▸ 学校の授業への協力
「ふわふわ言葉を届けよう」
ーー 羊毛でつくる「ふわふわ言葉」のコラージュ ーー
図工/道徳
実施協力:NPO法人こども手づくりプロジェクト(教材貸与)
道徳で学ぶことの多い「ふわふわ言葉」を実感させたいとの先生方の要望により開発された授業です。羊毛の温かな触感を感じながら、自分たちが考えたふわふわ言葉をコラージュで表現して、お家の人へ届けます。
*本授業は、NPO法人こども手づくりプロジェクトの協力により実施しています。
図工道徳コミュニケーション
実施条件
対象学年: | 小学校低学年以上(各学年に合わせてプログラム内容を調整) |
---|---|
所要時間: | 90分(2単位時間・1単位時間/45分) |
授業講師: | 感性の教室 ファシリテーター |
授業の目標
- 自分の体験を振り返りながらふわふわ言葉を書き出し、他の児童と共有することで、ふわふわ言葉を生きた言葉として捉え直す。
- 羊毛の温かな触感を感じながらふわふわ言葉の作品をつくる体験を通して、ふわふわ言葉を形骸化せずに、実感を持ってイメージできるようになる。
- 届ける相手を思いながらふわふわ言葉を表現しプレゼントする体験を通して、相手を思いやる言葉の価値や大切さを知り、今後の生活にいかす。
- 羊と人間の関わりの歴史や羊毛の製造工程、羊毛が汚れや脂まで活かすエコロジカルな素材であることを知り、命からの贈り物の自然素材の大切さと価値に気づく。
教材・用具
使用教材・用具
- 羊や羊毛の製造工程の写真説明資料、原毛・羊毛の脂/NPO法人こども手づくりプロジェクトより貸与
羊毛、説明用の羊毛製品/感性の教室より提供
学校の準備
- スティック糊(固形アラビック)、A5サイズ作品台紙(白板ダンボール)、実物投影機
児童の準備
- 筆記用具、色鉛筆
プログラム概要
授業プログラムの概要
- 羊毛をさわって感触を味わい、匂いを嗅ぎ、感じたことを発表する
- ふわふわ言葉について考え、ワークシートに書き出す(個人ワーク)
言ってもらって嬉しかった言葉、励まされたり慰められた言葉について考え、できるだけたくさん言葉を出す。
次に、家の人のことを想像しながら、届けたい言葉を選んで作品のテーマとする。 - 羊について、羊毛の製造工程について、写真を見ながらお話をきく
羊と人間の関わりの歴史や、羊毛の製造工程や糸を紡ぐ工程のお話をきき、染めた羊毛や製品の実物も見る。 - 脱脂していない原毛を触ったり、匂いを嗅いだりする 羊毛の脂の匂いも嗅ぐ
脱脂した羊毛との違いや、感じたこと、気づいたことを発表する。 - 色や形、触感が、言葉や感情を表現することを知る
「ふわふわ」「チクチク」という言葉から形を想像したり、色や形のボードを見て感じたことを発表する。 - 様々な表現方法と作品づくりの姿勢を学ぶ
コラージュの方法や羊毛の様々な表現方法について説明をきく。
講師による「ありがとう」を伝える寸劇を見て、言葉の伝え方によって受け取る印象が違うことを知り、ふわふわ言葉を表現する作品づくりにも心を込めることを学ぶ。 - 制 作
各自が考えたふわふわ言葉を羊毛を使って表現し、コラージュ作品をつくる。 - 振り返り
完成したそれぞれの作品を鑑賞した後で、作品の感想や気づいたことを発表する。
プログラムのポイント
ーーより豊かな体験のためにーー
羊毛が単なるモノではなく、命からの贈り物であることを実感するために、羊毛や脱脂していない原毛の触感を味わったり匂いを嗅いだり、感覚的な体験を行う。
ふわふわ言葉を色や形で無理なく表現できるように、色や形や触感が、言葉や感情を伝えることを知るワークを実施する。
ふわふわ言葉は、相手とのコミュニケーションの中に生まれるものであるため、届ける(伝える)相手を想像しながら制作するように促す。
感想
子どもたちの言葉(2年生)ー羊毛の観察や、色や形のワークの発表から
羊毛の観察時
「あったかい毛布みたい」「綿あめみたい」「ふわふわしていた」「雲を触っている感じがした」「お布団か枕を抱いているみたい」「触った感じがヒヨコみたいでした」「ほっぺにつけたら、お化粧でポンポンするやつみたいでした」「匂いが少しお砂糖みたいな匂い」「あったかかった」
「あったかい毛布みたい」「綿あめみたい」「ふわふわしていた」「雲を触っている感じがした」「お布団か枕を抱いているみたい」「触った感じがヒヨコみたいでした」「ほっぺにつけたら、お化粧でポンポンするやつみたいでした」「匂いが少しお砂糖みたいな匂い」「あったかかった」
原毛の観察時
「野生の感じがする」「牧場の匂い」「すごく臭かったです。羊の糞の匂い」「臭すぎた」「ふわふわじゃなく、くるくるしてた」「硬くて土も混ざっていた」「脂みたいにベタベタした」
色や形から感じることは?
青:「心が痛くなる」「寂しい」「悲しい」「クール」「冷たい」「寒い感じ」「ひとりぼっち」
赤:「怒っている」「強い」「戦っている」「喧嘩している時の気持ち」「暑い感じ」「明るい」「元気が出る感じ」「嬉しい」「ちょっとだけ怖い感じ」
丸と四角の比較:「丸は優しい感じで、四角は怖い」「四角はチクチクで、丸はふわふわ」「四角はちゃんとしていて、丸はボーっとしている」「四角は固まっている感じで、丸は動いている感じ」「丸は楽しい感じで、四角は楽しくない」
授業者より授業実施報告
子どもたちは、ふわふわの白い羊毛に頬ずりして「ずーっと触っていたい」と言いながら感触を味わったり、脱脂していない羊毛の匂いに大興奮したり、初めての羊毛との出会いを体全体で受け止め、楽しんでいました。また、羊毛ができるまでのお話を目を輝かせて熱心にきき、質疑応答も活発でした。羊毛を知るための丁寧な導入が、子どもたちの制作への意欲と期待を高めたようです。
子どもたちは、それぞれのふわふわ言葉を真剣に選び、羊毛の様々な表現に挑戦しました。届ける人に想いをこめて、見事なコラージュ作品をつくり上げました。
最後の作品鑑賞の時間では、お互いの作品を認め合う姿がみられ、子どもたちは、ふわふわ言葉を実感できる充実した体験ができたようです。
先生方は、子どもたちの創造的な作品を見てその素晴らしさに驚き、子どもたちの新たな力に気づくことができ、また、羊毛を使った体験を通して、形骸化しがちな「ふわふわ言葉」の理解が深まったと、たいへん喜んでくださいました。
子どもたちは、それぞれのふわふわ言葉を真剣に選び、羊毛の様々な表現に挑戦しました。届ける人に想いをこめて、見事なコラージュ作品をつくり上げました。
最後の作品鑑賞の時間では、お互いの作品を認め合う姿がみられ、子どもたちは、ふわふわ言葉を実感できる充実した体験ができたようです。
先生方は、子どもたちの創造的な作品を見てその素晴らしさに驚き、子どもたちの新たな力に気づくことができ、また、羊毛を使った体験を通して、形骸化しがちな「ふわふわ言葉」の理解が深まったと、たいへん喜んでくださいました。
授業風景
②ふわふわ言葉をたくさん書き出して、一番届けたい言葉を選ぶ
言われて嬉しかった言葉、慰められたり励まされたりした言葉をできるだけ多く書き出す。
その中から家の人へ届けたい言葉を一つ選ぶ。
言われて嬉しかった言葉、慰められたり励まされたりした言葉をできるだけ多く書き出す。
その中から家の人へ届けたい言葉を一つ選ぶ。
③羊のお話や、羊毛ができるまでのお話をきく
人と羊の関わりの長い歴史や、写真や実物を見ながら羊毛の製造工程や糸を紡ぐ方法について学ぶ。
羊毛が何も無駄にしないエコロジカルな素材であることも知る。
人と羊の関わりの長い歴史や、写真や実物を見ながら羊毛の製造工程や糸を紡ぐ方法について学ぶ。
羊毛が何も無駄にしないエコロジカルな素材であることも知る。
④脱脂していない原毛を触ったり、羊毛の脂の匂いを嗅ぐ
土や汚れがついたままの原毛を触ったり匂いを嗅いだり、精製されていない羊毛の脂の匂いを嗅いで、感想を発表する。
土や汚れがついたままの原毛を触ったり匂いを嗅いだり、精製されていない羊毛の脂の匂いを嗅いで、感想を発表する。
⑤言葉から色や形を想像したり、色や形から感じたことを発表する
「ふわふわ」「チクチク」という言葉から形を想像したり、色や形のカードを見て感じたことを言葉で発表して、言葉と色や形のつながりを知る。
「ふわふわ」「チクチク」という言葉から形を想像したり、色や形のカードを見て感じたことを言葉で発表して、言葉と色や形のつながりを知る。
⑥様々な表現方法と作品づくりの姿勢を学ぶ
羊毛の様々な表現とコラージュの方法を学ぶ。
また、講師による「ありがとう」の伝え方の寸劇を見て、相手に向き合い言葉を伝えることの大切さと作品づくりの姿勢を学ぶ。
羊毛の様々な表現とコラージュの方法を学ぶ。
また、講師による「ありがとう」の伝え方の寸劇を見て、相手に向き合い言葉を伝えることの大切さと作品づくりの姿勢を学ぶ。
⑦淡い色の羊毛を使って、自分で考えた「ふわふわ言葉」を表現する
「ありがとう」「がんばって」などテーマの言葉を表現するには、どんな色の羊毛を使ってどんな形にすればよいか考え、編んだりねじったり違う色を混ぜたりして作品を制作する。
「ありがとう」「がんばって」などテーマの言葉を表現するには、どんな色の羊毛を使ってどんな形にすればよいか考え、編んだりねじったり違う色を混ぜたりして作品を制作する。
⑧ふわふわ言葉の作品タイトルを書いて完成!
作品の完成後、カードに作品タイトルのふわふわ言葉を書き、作品が引き立つように色鉛筆で装飾をする。
作品の完成後、カードに作品タイトルのふわふわ言葉を書き、作品が引き立つように色鉛筆で装飾をする。
⑨子どもたちの作品
羊毛を手で触ったり頬ずりしたりして感触を味わい、匂いを嗅いで、感じたことを発表する。